はじめに
請求書や契約書、申込書など、紙の書類を手作業でデータ入力している業務はありませんか?こうした手入力作業は時間がかかるだけでなく、入力ミスの原因にもなります。この課題を解決する技術として注目されているのが「AI OCR」です。
この記事では、AI OCRとは何か、従来のOCRとの違い、仕組みやビジネスでの活用事例について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
AI OCRとは
AI OCRとは、AI(人工知能)の技術を組み合わせた光学文字認識(OCR: Optical Character Recognition)のことです。紙の書類や画像に含まれる文字を読み取り、デジタルのテキストデータに変換する技術です。
従来のOCRは、活字の認識には対応していましたが、手書き文字や複雑なレイアウトの書類には精度が低いという課題がありました。AI OCRでは、ディープラーニング(深層学習)を活用することで、手書き文字の認識精度が大幅に向上し、帳票のレイアウトを自動で判別して適切な項目を抽出できるようになっています。
わかりやすい例
AI OCRが活躍する場面を、身近な例で考えてみましょう。たとえば、経理部門では毎月大量の請求書が届きます。従来は担当者が1枚ずつ金額・日付・取引先名を確認し、会計システムに手入力していました。AI OCRを導入すると、請求書をスキャナーで読み取るだけで、必要な情報が自動的にデータ化されます。
また、保険会社では手書きの申込書や診断書の処理にAI OCRが活用されています。医療機関では紙のカルテや処方箋のデジタル化、自治体では住民からの各種届出書類の自動読み取りなど、紙の書類が多い業界ほどAI OCRの導入効果は大きくなります。
仕組み
AI OCRの処理は主に4つのステップで行われます。まず「画像の前処理」として、スキャンした書類の傾き補正やノイズ除去を行い、文字認識しやすい状態に整えます。次に「レイアウト解析」で、書類のどこに表・見出し・本文があるかをAIが自動判別します。
続いて「文字認識」で、ディープラーニングを用いて文字を1文字ずつ、あるいは単語単位で認識します。CNNやTransformerといったニューラルネットワークが使われています。最後に「後処理・補正」として、認識結果を辞書データや文脈情報と照合し、誤認識を修正します。たとえば「請求金頑」と認識されても、文脈から「請求金額」に自動補正する仕組みです。
従来のOCRとの大きな違いは、AI OCRが学習を重ねるほど精度が向上する点です。認識結果を人間が修正したデータを学習データとして取り込むことで、継続的に認識精度を高めていくことができます。
ビジネスでの活用
AI OCRは、紙の書類が多い業務で幅広く活用されています。経理・会計部門では請求書・領収書・納品書の自動読み取りと会計システムへの連携が進んでいます。人事部門では履歴書や各種届出書類のデジタル化に活用されています。
金融業界では口座開設の申込書や本人確認書類の処理、保険業界では保険金請求書の自動処理、物流業界では配送伝票の読み取りなど、業界を問わず導入が広がっています。近年では、AI OCRとRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を組み合わせ、書類の読み取りからシステムへの入力まで一気通貫で自動化する「ペーパーレス自動化」の取り組みも増えています。
関連用語
AI OCRに関連する用語をいくつかご紹介します。
OCR(光学文字認識):画像内の文字を認識してテキストデータに変換する技術の総称
RPA:パソコン上の定型業務を自動化するソフトウェアロボット
CNN(畳み込みニューラルネットワーク):画像認識に特化したニューラルネットワークの一種
帳票:請求書・見積書・納品書など、ビジネスで使用される定型書類の総称
データエントリー:紙の情報をデジタルシステムに入力する作業
まとめ
AI OCRは、ディープラーニングを活用して紙の書類を高精度にデジタル化する技術です。手書き文字の認識や複雑なレイアウトの帳票処理など、従来のOCRでは難しかった領域にも対応できるようになりました。ペーパーレス化や業務効率化を推進する上で、AI OCRは非常に有効なソリューションです。
開発会社としての視点
micomia株式会社では、AI OCR機能を組み込んだアプリケーションやシステムの開発を支援しています。Google Cloud Vision APIやAmazon TextractなどのAI OCRサービスとアプリを連携させ、書類の自動読み取りからデータ処理までの一連のワークフローを構築いたします。「紙の書類処理を自動化したい」「AI OCRを自社システムに組み込みたい」など、お気軽にご相談ください。
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