micomia

Blog

技術記事

ニューラルネットワークとは?|AI専門用語をわかりやすく解説!

ニューラルネットワークとは?|AI専門用語をわかりやすく解説!

ニューラルネットワークってよく聞くけど、結局どういう技術なの?」


AI関連の話題で必ずといっていいほど登場する「ニューラルネットワーク」。名前は聞いたことがあっても、具体的にどんな仕組みなのかはわかりにくいという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ニューラルネットワークとは何か、その仕組みや身近な活用例、ビジネスでの使われ方まで、数式を使わずにわかりやすく解説します。




1. はじめに

micomia株式会社のAIエンジニア、松久保です。

ニューラルネットワークは、現在のAI技術を支える最も基本的な仕組みの一つです。画像認識、音声認識、文章生成など、私たちが日常的に触れているAIサービスの多くがこの技術をベースにしています。

今回は「ニューラルネットワークという言葉を知ったけれどよくわからない」「数式なしで概要を理解したい」という方に向けて、できるだけシンプルに解説していきます。



2. ニューラルネットワークとは

ニューラルネットワーク(Neural Network)とは、人間の脳の仕組みを参考にして作られたAI技術です。

人間の脳は、たくさんの神経細胞(ニューロン)がつながり合い、情報を伝達しながら処理を行っています。ニューラルネットワークはこの構造をコンピューター上で再現したもので、「データをもとに自分でルールを見つけ出す」ことができます。

たとえば、画像から犬か猫かを見分けたり、音声を聞いて文字に変換したり、文章の続きを推測して生成したりといった処理を、人のように「学習しながら」行うことができるのがニューラルネットワークの特徴です。


3. 身近で使われているニューラルネットワークの例

ニューラルネットワークは、私たちの生活の中ですでに多くの場面で活用されています。


スマートフォンの顔認証
iPhoneのFace IDなど、スマートフォンで顔を認識してロック解除する機能には、ニューラルネットワークによる画像認識技術が使われています。


音声アシスタント
SiriやAlexaなどの音声アシスタントは、ニューラルネットワークを使って人の声を認識し、言葉の意味を理解しています。


メールの自動振り分け
Gmailなどのメールサービスでは、迷惑メールを自動的に検出して振り分ける機能にニューラルネットワークが活用されています。


ChatGPTなどの会話AI
文章を生成するAIサービスの多くは、ニューラルネットワークを何層にも重ねた「ディープラーニング」の技術で動いています。



4. ニューラルネットワークの仕組み

ニューラルネットワークは、大きく分けて3つの「層」からできています。


入力層(Input Layer)
データを受け取る部分です。画像であればピクセルの情報、テキストであれば単語の情報などが入力されます。


中間層(Hidden Layer)
入力されたデータをもとに、特徴を分析・変換する部分です。「隠れ層」とも呼ばれます。たとえば画像認識では、耳の形、目の位置、毛の模様といった特徴をこの層で抽出します。


出力層(Output Layer)
最終的な結果を出す部分です。「猫」「犬」などの分類結果や、予測値が出力されます。


学習の過程では、出した結果が正解かどうかを判断し、内部の「重み(weight)」を少しずつ調整していきます。この繰り返しによって精度が上がっていく仕組みです。層を何層にも深く重ねたものが「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれ、より複雑な情報を処理できるようになります。



5. ビジネスでの活用

ニューラルネットワークは、さまざまな業界でビジネスに活用されています。


カスタマーサポートの自動化
チャットボットや自動応答システムにニューラルネットワークを活用することで、顧客からの問い合わせに24時間対応できるようになります。


需要予測と在庫管理
過去の販売データをもとに将来の需要を予測し、適切な在庫管理を実現できます。小売業や製造業での在庫ロス削減に貢献しています。


不正検知
クレジットカードの不正利用や、ネット上の不正アクセスを検出する仕組みにもニューラルネットワークが使われています。


画像解析による品質管理
工場の生産ラインで、製品の外観を自動チェックし、不良品を検出するシステムにも活用されています。


文章・コンテンツの自動生成
マーケティングのキャッチコピーや、商品説明文の自動生成など、コンテンツ制作の効率化にも利用されています。



6. 関連用語

ニューラルネットワークを理解するうえで知っておきたい関連用語を紹介します。


ディープラーニング(深層学習)
ニューラルネットワークの層を何層にも重ねて、より複雑な情報を学習させる技術です。ニューラルネットワークの発展形にあたります。


機械学習
データからパターンを自動的に学習するAI技術の総称です。ニューラルネットワークは機械学習の手法の一つです。


CNN(畳み込みニューラルネットワーク)
画像認識に特化したニューラルネットワークの一種です。画像の特徴を効率的に抽出できます。


RNN(再帰型ニューラルネットワーク)
時系列データや文章など、順序のあるデータの処理に適したニューラルネットワークです。


LLM大規模言語モデル
ニューラルネットワークを大規模に構築し、大量のテキストデータで学習させた言語AIです。ChatGPTなどがこれにあたります。



7. まとめ

ニューラルネットワークは、人間の脳の仕組みを参考に作られたAIの基本技術です。

入力層・中間層・出力層の3層構造でデータを処理し、学習を繰り返すことで精度を高めていきます。音声認識、画像判定、文章生成など、私たちが日常的に使っているAIサービスの多くがこの技術をベースにしています。

AIを理解する第一歩として、まずはニューラルネットワークの「仕組みのイメージ」を掴むことが大切です。



8. AI開発・アプリ開発のご相談

ニューラルネットワークをはじめとするAI技術は、業務の自動化や効率化に大きく貢献する可能性を秘めています。

micomia株式会社では、ニューラルネットワークや機械学習を活用したAI機能の開発、AIを組み込んだアプリケーション・システムの開発を行っています。

「自社のデータを活用してAIを導入したい」「業務を自動化するAIシステムを構築したい」といったご要望がありましたら、お気軽にご相談ください。

松久保波希

micomia株式会社所属のAIエンジニアです。 機械学習モデルの設計・開発・評価を担当しており、データ前処理からモデル構築、学習、検証、改善まで一貫して行っています。

関連記事

問い合わせフォームの営業メールはどうやったら防げる?|reCAPTCHAで止まらない理由と、受信側で分ける方法
AI

問い合わせフォームの営業メールはどうやったら防げる?|reCAPTCHAで止まらない理由と、受信側で分ける方法

問い合わせフォームに届く営業メールの対策。ある月は214件中6件しか本物の問い合わせがありませんでした。reCAPTCHAが効かない理由と、受信側で仕分ける方法を実測値つきで解説します。

自分をコピーしたAIを作ってみた|ローカルLLMで自分の業務をそのまま代行する
AI

自分をコピーしたAIを作ってみた|ローカルLLMで自分の業務をそのまま代行する

自分の知識をAIにしたいと思い畑井駿佑AIを作成しました。 これはもっとアプリ・システム開発について相談しやすくするために開発しました。 AIの回答ってまだアプリ・システム開発の経験に反すものが多いので、その弱点を埋めるようなモデル作りを心がけて設計・実装・学習させました。

【社長の知識をAIに】園芸の知識を学習したAI社長を開発しました。
AI

【社長の知識をAIに】園芸の知識を学習したAI社長を開発しました。

YouTube動画159本の知識をベースに社長AIを構築しました。 利用ケースなども考慮しながらAIモデルの設計・開発を行いましたのでその開発記録をご紹介します。

人工衛星×AIで土地の変化を検出するアプリを開発|実際のシステムの画面も公開
AI

人工衛星×AIで土地の変化を検出するアプリを開発|実際のシステムの画面も公開

衛星データ(Sentinel-2)を活用して、土地の変化や不正利用・無許可造成を広域で検知・監視する方法を、企業・自治体向けにわかりやすく解説します。仕組みや活用場面、導入時の注意点に加え、micomiaが開発する土地利用の異常監視システムの実例もご紹介します。

Apple Businessを利用したMDMとは?Mac・iPhoneの端末管理とセキュリティ対策
その他

Apple Businessを利用したMDMとは?Mac・iPhoneの端末管理とセキュリティ対策

Apple BusinessのMDMでMacやiPhoneを会社として管理する方法を、システム開発会社の視点で解説します。画面ロックやFileVaultなどの構成、ブループリントによる一括適用、管理対象Apple Account、紛失・盗難時のリモートロック、入退社時の端末管理までまとめました。

ISO/IEC 27001取得を見据えて進める情報セキュリティ対策
その他

ISO/IEC 27001取得を見据えて進める情報セキュリティ対策

システム開発会社は、ソースコードやクラウド環境、APIキーなど多くの情報資産を扱います。micomiaがISO/IEC 27001(ISMS)取得を見据えて進めている、端末管理・権限管理・多要素認証・セキュアコーディング規約・入退社時の対応などの取り組みを紹介します。

公式LINEと自社アプリ、どちらが合っている?メリット・デメリットと選び方を解説
発注ガイド

公式LINEと自社アプリ、どちらが合っている?メリット・デメリットと選び方を解説

顧客との接点を作るなら、公式LINEと自社アプリのどちらが合っているのでしょうか。公式LINEのメリット・デメリットと自社アプリでできることを整理し、ブランドに合わせた選び方を実例とともに解説します。

アプリはリリース後にどう育てる?4,000ダウンロードを突破した「グリラボ」の運営・改善事例
開発ストーリー

アプリはリリース後にどう育てる?4,000ダウンロードを突破した「グリラボ」の運営・改善事例

YouTubeとInstagramから広告を使わず4,000ダウンロードを獲得した園芸アプリ「グリラボ」を題材に、利用データとユーザーの声をもとに機能やUIを改善するアプリ運営の方法を解説します。

AI駆動開発とは?プロンプトだけでアプリを作る方法との違いを開発会社が解説
開発用語集

AI駆動開発とは?プロンプトだけでアプリを作る方法との違いを開発会社が解説

AI駆動開発とは、AIにアプリ開発を丸投げする方法ではありません。エンジニアが設計と品質に責任を持ち、AIで実装、テスト、レビューを効率化する開発方法です。プロンプト生成型との違いや、品質と安全性を高める考え方を初心者向けに解説します。

グリラボとは?写真から植物や庭の悩みを相談できるAI園芸サポートアプリ
その他

グリラボとは?写真から植物や庭の悩みを相談できるAI園芸サポートアプリ

グリラボは、植物や庭の写真から、種類・状態・病害虫・剪定・雑草対策などをAIに相談できる園芸アプリです。限定・お値打ちな植物を購入できるアウトレットショップも利用できます。

micomiaのセキュリティ対策 — お客様のアプリを守るために、私たちがすること
発注ガイド

micomiaのセキュリティ対策 — お客様のアプリを守るために、私たちがすること

micomiaが全開発案件に標準で組み込むセキュリティ対策を、スマホアプリ編・Web編に分けて解説します。App Check、二層防御、XSS・CSRF対策、鍵の管理方法など、専門用語も一つずつご説明します。

アプリの調子がおかしい6つの症状|原因の見立てと、自分で直せるか開発会社に頼むかの分かれ目
発注ガイド

アプリの調子がおかしい6つの症状|原因の見立てと、自分で直せるか開発会社に頼むかの分かれ目

アプリの画面が真っ白、ボタンが反応しない、プッシュ通知が届かない、403エラー、退会しても使えるなど、よくある6つの症状について、考えられる原因と、自分で確認・対応できる範囲、開発会社に頼むべき範囲を整理し、解説しています。

植物専門SNS「でぃぐりーん」開発記録|初心者が最初の一鉢を買えない課題をアプリで解決した方法
開発ストーリー

植物専門SNS「でぃぐりーん」開発記録|初心者が最初の一鉢を買えない課題をアプリで解決した方法

植物初心者の「どれを買えばいいか分からない」という悩みを解決するために開発した、植物専門SNS『でぃぐりーん』の開発記録です。専門SNSを作る前の現場体験、MVPでのスピード開発、位置情報を使ったUX、AI機能まで全体をまとめました。

建材特化フリマアプリ「Mate-Re:」開発記録|業界特化設計・決済・UI/UXの裏側
開発ストーリー

建材特化フリマアプリ「Mate-Re:」開発記録|業界特化設計・決済・UI/UXの裏側

建設現場で廃材が捨てられてしまう課題から生まれた、建材特化フリマアプリ『Mate-Re:』の開発記録です。業界特化の設計思想や現場目線のUI/UX、Stripe Connectを使った決済実装、循環経済を意識した設計までまとめました。

医療従事者向けSNS「メディカルサークル」開発記録|信頼感のUI設計・RevenueCat課金・コミュニティ安全設計の裏側
開発ストーリー

医療従事者向けSNS「メディカルサークル」開発記録|信頼感のUI設計・RevenueCat課金・コミュニティ安全設計の裏側

医療従事者専用SNS『メディカルサークル』の開発記録です。医療情報を安全に共有するための設計、RevenueCatを使った課金実装、コミュニティの安全設計、専門家認証機能まで、信頼感を重視した開発の裏側を解説します。

建設現場向け日本語学習アプリ「ゲンゴー」開発記録|外国人技能実習生・多言語対応・4択クイズ設計の裏側
開発ストーリー

建設現場向け日本語学習アプリ「ゲンゴー」開発記録|外国人技能実習生・多言語対応・4択クイズ設計の裏側

建設現場で働く外国人技能実習生に向けた日本語学習アプリ『ゲンゴー』の開発記録です。多言語対応や4択クイズの設計、建設業界に特化した学習コンテンツの設計思想まで、ニッチ特化アプリを作る裏側を解説します。

園芸サポートアプリ「グリラボ」開発記録|初心者向けUI・育成ガイド・楽しさ設計の裏側
開発ストーリー

園芸サポートアプリ「グリラボ」開発記録|初心者向けUI・育成ガイド・楽しさ設計の裏側

植物初心者が「続けられない」という課題を解決するために開発した、園芸サポートアプリ『グリラボ』の開発記録です。文字を詰め込まないUI設計、育成ガイド、ゲーミフィケーション、AI機能の役割分担まで全体をまとめました。

FlutterFlowでできないこと|開発会社が実例で解説する限界と回避策
発注ガイド

FlutterFlowでできないこと|開発会社が実例で解説する限界と回避策

FlutterFlowが苦手とするStripeのサブスク決済や帳票生成、セキュリティ・デザイン自由度の制約を、開発会社が実例つきで整理しました。どこで限界に当たり、どう回避してFlutterと使い分けるかの判断基準まで分かります。

アート特化SNSアプリ「Artl」開発記録|作品ファースト設計・「鑑賞しました」・トリミングしない展示の裏側
開発ストーリー

アート特化SNSアプリ「Artl」開発記録|作品ファースト設計・「鑑賞しました」・トリミングしない展示の裏側

アート特化SNS『Artl』の開発記録です。作品を主役に置く『作品ファースト』の設計や、クリエイターが使いやすい投稿体験の実装、Firebase連携、コミュニティ設計の裏側を、開発者の視点から解説します。

AI駆動開発の注意点|開発会社が実践してわかった「速いけど危うい」落とし穴と対策
発注ガイド

AI駆動開発の注意点|開発会社が実践してわかった「速いけど危うい」落とし穴と対策

AI駆動開発は速さの裏で落とし穴も増えます。曖昧な指示でかえって遅くなる、セキュリティや依存関係の見落とし、コードの一貫性の崩れといった注意点と対策を、非エンジニアが陥りやすい権限・データ保存の失敗もあわせて解説します。