micomia

Blog

技術記事

開発後の保守運用で必要なこととは?コスト・体制・よくある課題を解説

開発後の保守運用で必要なこととは?コスト・体制・よくある課題を解説

アプリやシステムは「作って終わり」ではありません。リリース後の保守運用こそが、サービスの安定稼働とユーザー満足度を左右する重要なフェーズです。しかし、多くの企業が開発時に保守運用のコストや体制を十分に検討しておらず、リリース後に想定外の負担が発生するケースが少なくありません。


本記事では、開発後の保守運用で必要な業務内容、コストの目安、よくある課題とその対策をmicomiaの知見をもとに解説します。




保守運用とは

保守運用とは、システムやアプリのリリース後に行う維持管理業務の総称です。

大きく分けると「保守」と「運用」の2つがあります。保守とは、バグ修正、セキュリティアップデート、OS・ライブラリのバージョン対応など、ソフトウェアを最新かつ安全な状態に保つ作業です。

一方、運用とは、サーバー監視、バックアップ、パフォーマンス管理、ユーザーサポートなど、システムを安定的に稼働させるための日常的な業務を指します。

アプリ開発費用の中に保守運用費が含まれているか、別途契約なのかは事前に確認しておくべきポイントです。



保守運用で必要な業務の具体例

保守運用で発生する主な業務を整理すると、以下のようになります。

まず「障害対応」です。

システムダウンやエラー発生時の原因調査と復旧作業は最優先業務です。

次に「セキュリティ対策」として、脆弱性の検知・パッチ適用・SSL証明書の更新などがあります。「定期的なバックアップと復元テスト」も欠かせません。

データ消失リスクに備え、バックアップの自動化と復元手順の確認が必要です。さらに「機能改善・追加開発」も保守運用の一環です。

ユーザーフィードバックを受けた改善や、事業成長に伴う機能追加は継続的に発生します。

システム開発会社の選び方でも触れたように、保守運用の対応範囲は開発会社選定時に必ず確認すべき項目です。



保守運用のコスト構造と仕組み

保守運用のコストは、一般的に開発費用の15〜25%程度が年間の目安とされています。

例えば、初期開発費が1000万円のシステムであれば、年間150万〜250万円が保守運用費として必要です。

コスト構造としては、固定費(サーバー費用、監視ツール利用料、保守契約費)と変動費(障害対応、追加開発)に分かれます。

FirebaseのようなBaaS(Backend as a Service)を活用すれば、サーバー管理の工数を大幅に削減できます。

また、CI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)パイプラインを構築しておくことで、アップデート作業の効率化とヒューマンエラーの削減が可能です。

micomiaでは、インフラ設計の段階から保守運用コストを最小化する構成を提案しています。



保守運用でよくある課題と対策

保守運用でよくある課題の1つ目は「属人化」です。

特定のエンジニアしか対応できない状態になると、離職リスクがそのままサービスリスクになります。

対策として、ドキュメント整備と複数人でのナレッジ共有が重要です。


2つ目は「技術的負債の蓄積」です。

短期的な対応を繰り返すとコードの品質が低下し、改修コストが膨らみます。

定期的なリファクタリングの計画が必要です。


3つ目は「契約範囲の曖昧さ」です。見積もり依頼前の準備の段階で、保守運用の範囲・対応時間・SLA(サービスレベル契約)を明確にしておくことがトラブル防止につながります。



まとめ

開発後の保守運用は、システムの安定稼働とビジネスの継続成長に不可欠な投資です。

障害対応、セキュリティ対策、バックアップ、機能改善といった業務を適切に計画し、開発費の15〜25%を目安にコストを見積もっておきましょう。

micomiaでは、開発だけでなく保守運用まで一貫してサポートする体制を整えています。「開発後のことも含めて相談したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。

畑井駿佑

畑井駿佑

micomia株式会社の代表取締役です。 エンジニア、プロジェクトマネージャーを経験し、2024年にUI/UXにこだわった使いやすいシステム/アプリを開発するmicomia株式会社を設立しました。

関連記事

AI駆動開発とは?プロンプトだけでアプリを作る方法との違いを開発会社が解説
開発用語集

AI駆動開発とは?プロンプトだけでアプリを作る方法との違いを開発会社が解説

AI駆動開発とは、AIにアプリ開発を丸投げする方法ではありません。エンジニアが設計と品質に責任を持ち、AIで実装、テスト、レビューを効率化する開発方法です。プロンプト生成型との違いや、品質と安全性を高める考え方を初心者向けに解説します。

本人の声・顔・話し方をAIで残すには?動画から作るAIアバターの仕組みと開発方法
AI

本人の声・顔・話し方をAIで残すには?動画から作るAIアバターの仕組みと開発方法

本人の動画から声・顔・話し方を再現するAIはどう作るのでしょうか。音声クローン、AIアバター、RAGの役割と、動画メッセージから対話システムへ発展させる開発手順を解説します。

Apple Businessを利用したMDMとは?Mac・iPhoneの端末管理とセキュリティ対策
その他

Apple Businessを利用したMDMとは?Mac・iPhoneの端末管理とセキュリティ対策

Apple BusinessのMDMでMacやiPhoneを会社として管理する方法を、システム開発会社の視点で解説します。画面ロックやFileVaultなどの構成、ブループリントによる一括適用、管理対象Apple Account、紛失・盗難時のリモートロック、入退社時の端末管理までまとめました。

ISO/IEC 27001取得を見据えて進める情報セキュリティ対策
その他

ISO/IEC 27001取得を見据えて進める情報セキュリティ対策

システム開発会社は、ソースコードやクラウド環境、APIキーなど多くの情報資産を扱います。micomiaがISO/IEC 27001(ISMS)取得を見据えて進めている、端末管理・権限管理・多要素認証・セキュアコーディング規約・入退社時の対応などの取り組みを紹介します。

公式LINEと自社アプリ、どちらが合っている?メリット・デメリットと選び方を解説
発注ガイド

公式LINEと自社アプリ、どちらが合っている?メリット・デメリットと選び方を解説

顧客との接点を作るなら、公式LINEと自社アプリのどちらが合っているのでしょうか。公式LINEのメリット・デメリットと自社アプリでできることを整理し、ブランドに合わせた選び方を実例とともに解説します。

アプリはリリース後にどう育てる?4,000ダウンロードを突破した「グリラボ」の運営・改善事例
開発ストーリー

アプリはリリース後にどう育てる?4,000ダウンロードを突破した「グリラボ」の運営・改善事例

YouTubeとInstagramから広告を使わず4,000ダウンロードを獲得した園芸アプリ「グリラボ」を題材に、利用データとユーザーの声をもとに機能やUIを改善するアプリ運営の方法を解説します。

問い合わせフォームの営業メールはどうやったら防げる?|reCAPTCHAで止まらない理由と、受信側で分ける方法
AI

問い合わせフォームの営業メールはどうやったら防げる?|reCAPTCHAで止まらない理由と、受信側で分ける方法

問い合わせフォームに届く営業メールの対策。ある月は214件中6件しか本物の問い合わせがありませんでした。reCAPTCHAが効かない理由と、受信側で仕分ける方法を実測値つきで解説します。

自分をコピーしたAIを作ってみた|ローカルLLMで自分の業務をそのまま代行する
AI

自分をコピーしたAIを作ってみた|ローカルLLMで自分の業務をそのまま代行する

自分の知識をAIにしたいと思い畑井駿佑AIを作成しました。 これはもっとアプリ・システム開発について相談しやすくするために開発しました。 AIの回答ってまだアプリ・システム開発の経験に反すものが多いので、その弱点を埋めるようなモデル作りを心がけて設計・実装・学習させました。

【社長の知識をAIに】園芸の知識を学習したAI社長を開発しました。
AI

【社長の知識をAIに】園芸の知識を学習したAI社長を開発しました。

YouTube動画159本の知識をベースに社長AIを構築しました。 利用ケースなども考慮しながらAIモデルの設計・開発を行いましたのでその開発記録をご紹介します。

人工衛星×AIで土地の変化を検出するアプリを開発|実際のシステムの画面も公開
AI

人工衛星×AIで土地の変化を検出するアプリを開発|実際のシステムの画面も公開

衛星データ(Sentinel-2)を活用して、土地の変化や不正利用・無許可造成を広域で検知・監視する方法を、企業・自治体向けにわかりやすく解説します。仕組みや活用場面、導入時の注意点に加え、micomiaが開発する土地利用の異常監視システムの実例もご紹介します。

グリラボとは?写真から植物や庭の悩みを相談できるAI園芸サポートアプリ
その他

グリラボとは?写真から植物や庭の悩みを相談できるAI園芸サポートアプリ

グリラボは、植物や庭の写真から、種類・状態・病害虫・剪定・雑草対策などをAIに相談できる園芸アプリです。限定・お値打ちな植物を購入できるアウトレットショップも利用できます。

micomiaのセキュリティ対策 — お客様のアプリを守るために、私たちがすること
発注ガイド

micomiaのセキュリティ対策 — お客様のアプリを守るために、私たちがすること

micomiaが全開発案件に標準で組み込むセキュリティ対策を、スマホアプリ編・Web編に分けて解説します。App Check、二層防御、XSS・CSRF対策、鍵の管理方法など、専門用語も一つずつご説明します。

アプリの調子がおかしい6つの症状|原因の見立てと、自分で直せるか開発会社に頼むかの分かれ目
発注ガイド

アプリの調子がおかしい6つの症状|原因の見立てと、自分で直せるか開発会社に頼むかの分かれ目

アプリの画面が真っ白、ボタンが反応しない、プッシュ通知が届かない、403エラー、退会しても使えるなど、よくある6つの症状について、考えられる原因と、自分で確認・対応できる範囲、開発会社に頼むべき範囲を整理し、解説しています。

植物専門SNS「でぃぐりーん」開発記録|初心者が最初の一鉢を買えない課題をアプリで解決した方法
開発ストーリー

植物専門SNS「でぃぐりーん」開発記録|初心者が最初の一鉢を買えない課題をアプリで解決した方法

植物初心者の「どれを買えばいいか分からない」という悩みを解決するために開発した、植物専門SNS『でぃぐりーん』の開発記録です。専門SNSを作る前の現場体験、MVPでのスピード開発、位置情報を使ったUX、AI機能まで全体をまとめました。

建材特化フリマアプリ「Mate-Re:」開発記録|業界特化設計・決済・UI/UXの裏側
開発ストーリー

建材特化フリマアプリ「Mate-Re:」開発記録|業界特化設計・決済・UI/UXの裏側

建設現場で廃材が捨てられてしまう課題から生まれた、建材特化フリマアプリ『Mate-Re:』の開発記録です。業界特化の設計思想や現場目線のUI/UX、Stripe Connectを使った決済実装、循環経済を意識した設計までまとめました。

医療従事者向けSNS「メディカルサークル」開発記録|信頼感のUI設計・RevenueCat課金・コミュニティ安全設計の裏側
開発ストーリー

医療従事者向けSNS「メディカルサークル」開発記録|信頼感のUI設計・RevenueCat課金・コミュニティ安全設計の裏側

医療従事者専用SNS『メディカルサークル』の開発記録です。医療情報を安全に共有するための設計、RevenueCatを使った課金実装、コミュニティの安全設計、専門家認証機能まで、信頼感を重視した開発の裏側を解説します。

建設現場向け日本語学習アプリ「ゲンゴー」開発記録|外国人技能実習生・多言語対応・4択クイズ設計の裏側
開発ストーリー

建設現場向け日本語学習アプリ「ゲンゴー」開発記録|外国人技能実習生・多言語対応・4択クイズ設計の裏側

建設現場で働く外国人技能実習生に向けた日本語学習アプリ『ゲンゴー』の開発記録です。多言語対応や4択クイズの設計、建設業界に特化した学習コンテンツの設計思想まで、ニッチ特化アプリを作る裏側を解説します。

園芸サポートアプリ「グリラボ」開発記録|初心者向けUI・育成ガイド・楽しさ設計の裏側
開発ストーリー

園芸サポートアプリ「グリラボ」開発記録|初心者向けUI・育成ガイド・楽しさ設計の裏側

植物初心者が「続けられない」という課題を解決するために開発した、園芸サポートアプリ『グリラボ』の開発記録です。文字を詰め込まないUI設計、育成ガイド、ゲーミフィケーション、AI機能の役割分担まで全体をまとめました。

FlutterFlowでできないこと|開発会社が実例で解説する限界と回避策
発注ガイド

FlutterFlowでできないこと|開発会社が実例で解説する限界と回避策

FlutterFlowが苦手とするStripeのサブスク決済や帳票生成、セキュリティ・デザイン自由度の制約を、開発会社が実例つきで整理しました。どこで限界に当たり、どう回避してFlutterと使い分けるかの判断基準まで分かります。

アート特化SNSアプリ「Artl」開発記録|作品ファースト設計・「鑑賞しました」・トリミングしない展示の裏側
開発ストーリー

アート特化SNSアプリ「Artl」開発記録|作品ファースト設計・「鑑賞しました」・トリミングしない展示の裏側

アート特化SNS『Artl』の開発記録です。作品を主役に置く『作品ファースト』の設計や、クリエイターが使いやすい投稿体験の実装、Firebase連携、コミュニティ設計の裏側を、開発者の視点から解説します。

開発後の保守運用で必要なこととは?コスト・体制・よくある課題を解説 | micomia株式会社